ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

No Music, No Resort.

tinpan19732007-08-06

さっき遅いランチをとりにイタリア料理店に入ったところ、
「待ってました」とばかりにイーグルス「ラスト・リゾート」が流れ出した。
ヨ〜シ、今日は思い切って、ラスト・リゾートの話をしてみよう。


僕のラスト・リゾートは、神奈川県の葉山にある。
葉山のある海岸で学生時代、店を経営していた。
あの界隈が僕にとってのラスト・リゾートだ。


グアムやハワイの海よりも、
カリフォルニアやマイアミよりも、
レゲエっぽくカリブ海よりも、
お洒落に地中海よりも、
天国にいちばん近いニュー・カレドニアの海よりも…。
というような文章を、そういえば学生時代に書いたような気がする。


僕はラスト・リゾートを一年に一度は訪れることにしている。
今年も、この週末に行って来た。
前夜から茅ヶ崎の知人宅に泊まり込み、
朝、ルート134を、海に沿って走り、葉山へ向かう。
ここ十年来繰り返されてきた、聖地へ詣でる儀式。


店は、80年代の音楽でボクたちを迎えてくれた。
ボズ・スキャッグスに、サンタナに…。
どうせなら、J.D.サウザーとかTOTOとかも聴きたかったけど、
イヤ、贅沢は言うまい。彼らの気配りに感謝しよう。


頃合いを見て、海へ。
デッキチェアに寝そべりiPodのイヤホンを耳へ。
パット・メセニー「想い出のサン・ロレンツォ」を聴く。
寄せ来る波を、低い視線で見つめながら、
水の飛沫から生じるマイナス・イオンと陽光を浴びながら、
聴く「「想い出のサン・ロレンツォ」。
聴いているうちに気持ちが良くなり、曲のある部分で、
脳内にα波が分泌されるのがわかるような瞬間がある。
これも、十年来繰り返してきた僕のリラクゼーションの儀式。


卒業以来20数年ぶりに店を訪れた仲間も加わり、心地よい時間を過ごす。
広い海、青い空、
輝く太陽、吹く潮風、
気の置けない仲間、他愛のない会話。
人生に必要なものは、それほど多くないみたいだ。


年を経るごとに、海から帰る時間は早くなる。
江ノ島の向こうに日が沈む、その美しすぎる風景を見ることなく、店を後にした。


皆と別れ、一人になる。再びiPodを耳へ。
大貫妙子「海と少年」を聴く。
「海と少年」、1978年『ミニヨン』収録。
バックはたしか(資料が今、手元に無し)、D高橋、B細野、K坂本。


今年、みたび捲き起こったYMO狂騒曲は、どこまで行くのだろう?
そういえば、先日、NHKの番組で大貫さんが、葉山の海岸を歩いていたっけ。
29年前の曲だけれど、2007年らしいチョイスだと思った。
“街へもどるよ いつかまた”