ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

水曜日の青春。

tinpan19732007-07-05

水曜日を歌った
ポップ・ミュージックは多いと思う。


たとえば、大滝詠一
1981年の不朽の名盤『A LONG VACATION
収録の名曲「雨のウェンズデイ」。


バックを固めるのは、
林立夫D、細野晴臣B、鈴木茂G、松任谷正隆K。
クラウンとの契約を終了し、1977年ごろから自然消滅に向かった
ティン・パン・アレーの面々が当時で3年ぶりくらいに再集合して
表現力豊かな演奏を聴かせる。


大滝氏の美しいメロディー。
松本隆氏の巧みな詞。やっぱり“ウェンズデイ”なんだろうな。
“海が見たい”と(たぶん突然)君が言い出して、
ワーゲンを走らせるとしたら…。
ウィークエンドじゃ当たり前すぎるし、
ウィークデイでも、月曜日じゃ週が始まったばかりだし、
金曜日じゃ週末が絡んでくる。火曜日や木曜日よりも、
週のど真ん中、ミッド・ウィークデイの水曜日こそが相応しい。


海=水でもあるし、ましてや雨=水だ。
水の曜日の歌にするのが理に適っている気がする。


映画『ビッグ・ウェンズデイ』の影響もあるに違いない。
伝説の波が来る水曜日。サーフィン映画の傑作、青春映画の永遠の名作。


松任谷由実さんの昨年のツアー・タイトルは
『The LAST WEDNESDAY』ツアーと言った。
“Hear Comes The Wave”というショルダー・フレーズも付いていた。

NEWアルバム『A GIRL IN SUMMER』に連動したツアーだが、
アルバム・タイトルも『The LAST WEDNESDAY』にしたほうが、
“夏”“海”“青春”が象徴的に表現されて良かったのではと思う。


「埠頭を渡る風」「DESTINY」という、私の大好きな、
海への往き帰りのクルマの中で何回聴いたかわからない
私の80年代を象徴する楽曲が、本編最後やアンコールに演奏されたツアー。


そういえば、私自身、授業をパスして、
昼間から海へドライヴしたりしたのは、
水曜日が多かった気がする。
平日の束縛、ルーティンのプレッシャー、
そういったものから自由になりたかったのだろう。


社会に出てからも、平日に休んだ曜日は、
圧倒的に水曜日が多い気がする。