ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

最後にまりやさんを聴いたのは、最後にジーンズを買ったころ。

tinpan19732007-06-06

実は竹内まりやさんの新譜、
『インプレッションズ』『スーヴニール』
『ボナペティ』と聴いていなかった。
ずっと聴きつづけていたのに
それじゃ寂しいと思い、
前作『Long Time Favorites』を購入したのだが、
一聴して人にあげた。


理由は大きく分けて二つ。
収録したカヴァー曲自体への興味がそれほど無かったのと、
(年齢差が大きいと思う。会社の上司に差し上げたが、
 その人は喜んでいたようだから)
サウンドがものすごく平べったく聴こえた。


ハード・ディスク・レコーディングが機能しはじめた頃だと思うが、
ストリングスの音とかか平易で奥行がないように感じられた。
(私の耳とあとは音響機器の問題が大だと思います)


で、今回の『Denim』ですが、
今週初めにリッピングして通勤の間ずっと聴きつづけているくらい好きです。


「人生の扉」、正面から好きと言うにはちょっと恥ずかしいですが、
いい曲だと思います。1stアルバムの「すてきなヒットソング」のように、
魂から生み落とされたような楽曲。その時点での等身大のまりやさんが、
詞に反映されていると思います。


あとは「Never Cry Butterfly」等が印象的。
杉真理さんだったり、センチメンタル・シティ・ロマンスだったり、
この方々たちと久々にコラボレーションしている楽曲が
結果的に私の心に響いて来るようだ。RCA時代のアルバムに親しんだ
DNAの記憶が呼び覚まされるのかも知れない。


電車の中など移動中に聴くことが多く、
あとは視力が衰えてきているせいもあり、
詞を追いながら聴いていないこともプラスに左右していると思う。


平易なありきたりの言葉で、
誰もが自分を投影できるようなシチュエーションを歌う。
そんな詞が多く、それが良さであり、ポピュラリティを獲得する理由だと思う
けれど、そこが90年以降、私がまりやさんから遠ざかった理由でもあった。


“ただいまりや”
いつぞやのアルバム発売時にそんなコピーがあったと思うが、
今作を聴きながら「おかえりなさい」という気持ちが盛り上がっている。
あるいは学生時代の友人に久々に再会して、旧交を温めている気分。


そういえば、先日、久々にジーンズを穿いた。
たしか1991年か92年に買ったLevis 501。
この時以来ジーンズを購入していない。
考えてみると、この頃発売された『Quiet Life』以来なんだ。
まりやさんの新譜を聴き込むのは。