ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

1992年のヌーヴェル・ヴァーグ。

tinpan19732007-04-03

シュガー・ベイブの2代目ベーシストだった
寺尾次郎氏の娘さんがシンガーとして
デビューされたようですね。


大貫妙子さんのような歌声やサウンド
聴かせてくれるようで、
ヨ〜シぜひ聴いてみよう。


寺尾次郎さん、シュガー解散後は
大学に戻り専攻の仏文学に専心され、
後年は映画の字幕翻訳者としても活躍されるようになったと聞いた。


日本公開がたしか1992年、
ポンヌフの恋人」というフランス映画があった。
久しぶりにフランスらしい上質な恋愛映画
というような触れ込みで公開され話題となった。


まだ20代だった私は当然劇場に足を運び観た。
字幕に「寺尾次郎」という名を発見して、驚喜した覚えがある。


この映画の“日本公開用イメージ・ソング”
というちょっと中途半端な位置付けでタイアップが付いたのが、
たしか大貫妙子さんの「恋におちて」という曲だった気がする。


大貫さんの東芝EMI移籍第一弾アルバム『DRAWING』が、
同時期1992年の始めに発売となっていて、
移籍して一枚目で気合が入っていたようで、タイアップが結構付いた。


が、うら覚えで申し訳ない。「静かな約束」か「あなたと私」かも知れない。
映画の中やCMで楽曲が使われたのでない、
ヒジョーに曖昧でビミューなタイアップだったせいもあると思う。


映画のストーリー自体も、15年経って、ほとんど忘れている。
主演の女優と男優の顔もおぼろ。
橋が出てきたこと、生活感あるフランスの
一般家庭のシーンが随所に出てきたこと。
それから映画の質感やトーンを何となく覚えている程度だ。
質感、トーン…。オシャレというよりはどことなくドロ臭くて、
ちょっとグレイがかっていて、それが何となく新鮮だった。


大貫さん、『ポンヌフの恋人』の世界観で楽曲を作らないかな。
10年後ぐらいのフランス映画でやはり話題となった『アメリ』の
夢見る少女の世界観もハマると思う。


80年代始めの大貫さんのヨーロッパ三部作は
グリニッジ・ビレッジの青春』『冒険者たち』
『サマー・オブ・1969』(でしたっけ?)等の映画から
インスパイアされた部分も大きいと思う。
同じような方法論で、四半世紀経った今、もう一度…。


00年代のヨーロッパ三部作を待ち望むファンより。