ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

スガシカオの向こう側。

tinpan19732007-02-14

このアルバムも1月下旬に購入した。
スガシカオ『ALL SINGLES BEST』。
すぐにリッピングして、家と会社の
往復の時空間で聴いている。


「黄金の月」をMD音源としてしか持っていなかった。
ちゃんと聴いてみたかったCMやテレビ番組のテーマが何曲かあった。
この辺りが購入動機だ。iPod-リッピング時代に、ベスト盤が売れる理由が
何となくわかる気がする。


大ファンであるアーティストはフル・アルバムが、
ファンであるアーティストはベスト・アルバムが、
収録されているケースが多いと思う。iPodの中に。


忙しいのと、あとCD自体を今人に貸したままなので、
詞をじっくり追いながら聴いていないのだが、
ベスト盤というのは通常のアルバムと異なり、
市場から求められるアーティストの一側面が強調されるような
気がして、息苦しさを伴うなとちょっと思った。
とはいうものの「光の川」「あまい果実」「ぼくたちの日々」辺りは、
新たに私のフェイヴァリット・ソングに仲間入りした。


それから先日、本屋で『別冊カドカワ』総力特集スガシカオを購入。
一冊丸ごとというToo Muchさに恐れを感じ、
秋元康さんや宮藤官九郎さんや文芸評論家・清水義典さんが、
(予想通りありますよ。村上春樹氏との対比)
揃って誉め称えていらっしゃる構成に読み心地の悪さを感じながらも、
スガさんのバック・グラウンドやサイド・ストーリーが
かなり理解できた気がする(ぜんぶ読み切れていないけれど)。


スガさんがフライング・キッズを意識していたことがわかったのが
収穫だった。スガさんの音楽を聴いて私が抱いた印象が、
「フライング・キッズみたい」。たしか、その時いっしょにいた人に
そんな話をしたような覚えがある。


フライング・キッズのネーミングのもとになったといわれる
「フライング・キッド」は『ナイアガラ・トライアングルVol.1』収録の
作詞・吉田美奈子、作曲・山下達郎コンビの極初期の作品。
(「記念すべき第一作」という説も聞いたことがある)


吉田美奈子が志向したR&Bを、20年後
宇多田ヒカルが大衆化した。


山下達郎が志向したファンクを、20年後
スガシカオが大衆化した。


こんど、こんな文章にトライしてみようか。