ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

歌声がサンタ・クロース。

tinpan19732006-12-13

今日、京都のLIVEが終わったはずだから
ネタバレを気にせず存分に書き込もう。


日曜日、六本木STB139での
吉田美奈子 with 倉田信雄、河合代介ライヴ、
よかった。スバラシカッタ。
21世紀になってからの、
マイ・ベスト吉田美奈子LIVEかも知れない。


一週間前の日曜日の書き込みで、
アルファ時代のバラードが聴きたいと記したが、
いきなり願いが通じました。


倉田さんのピアノがイントロを奏でる。
「あれ、これ、ひょっとして…」
しばらくすると河合さんのハモンドが被さってくる。
原曲に忠実な前奏。やった!「Back in Town」だ!
アルバム『MONSTERS IN TOWN』(81年)のラストを飾る曲。
歌詩をボクも口ずさむ。
12月の六本木の夜にこれほどハマる曲はないと思う。
久々だ。94年12月恵比寿ガーデンホール以来じゃないか?


続いて、これもピアノのイントロが印象的な曲。
「December Rain」(89年『DARK CRYSTAL』収録)、
この名曲もあまりLIVEで聴くことはできない。


MCの後、「久々にお贈りします」という前振りで
♪密かに会った〜
ここで歓声と大きな拍手。もちろんボクも。名曲「時よ」だ。
78年『LET’S DO IT』収録。達郎さんの78年のLIVEアルバム
『IT’S A POPPIN’ TIME』にも収録されている。
これも久々だ。かなりジ〜ン。


カンドーに浸っていると、次は「恋」(77年『TWILIGHT ZONE』)。
怒涛のRUSH!というか、ありきたりじゃない、考え抜かれた選曲だ。
さらに「Shadows are the thought (of the radiance)」(86年『BELLS』)。
アルバムとは全く異なるスウィングしているアレンジだ。


その次は、なんと、「影になりたい」(78年『LET’S DO IT』)。
作曲は、美奈子さんと坂本龍一氏。
「久々に歌ってみて、自分で作ったメロディーが難しくてマイッタ」
とのコメントもされていたが、不思議なメロディー・ライン。
90年3月日清パワーステーションでのLIVEでムッシュかまやつ氏も
大好きな曲として挙げられていた。
もっともその日は演奏されたわけでなく、私自身LIVEでこの曲を聴いたのは
初体験だ。教授のディレッタントさも滲む曲だと思う。


とにかく、ここまでの曲が新鮮でブッ飛んだ。
「聴けたらいいなぁ。でも、まさか、やらないよなぁ」
そんな曲が6曲つづいたのだ。
次の一部最後の曲「愛があたためる」(2003年『REVELATION』)で、
やっといつもの弾き語り系LIVEに戻った気がする。


二部は、故・ペーター佐藤氏に捧げた「星の海」(95年『EXSTREME BEAUY』)
で始まり、横田夫妻を想い作られた「SIGN OF DISTANCE」
(03年『REVELATION』)と「FRAME」(06年『Spangle』)を二曲続けて。
そして「Christmas Tree」(86年『BELLS』)。
「時よ」とこの曲が両方聴けると、もうそれだけでそのLIVEは
サイコー!になる。私にとって。それくらい特別な曲だ。
一時期そうだったように、この曲に合わせて歌いたいと思った。
そう思った聴衆は多いんじゃないだろうか。そんな客層だった。
日曜日だったせいもあるのかな?


そして「RADIANCE」(97年『SPELL』)、
倉田氏作曲「雲の魚」(03年『REVELATION』)、
河合氏作曲「BEYOND」(06年『Spangle』)とつづく。
二部最後は、「音楽の言葉」(02年『Stable』)。
アンコールは「もみの木」(02年の『BELLS Special Edition』収録)。


夏のバンドのLIVEに行ったとき、自分の中でちょっとマンネリを
感じたりしたけれど、ヒェー私が間違っておりました。ゴメンなさい。
これからも機会がある限り通いつづけます。
と、思いを新たにしました。


「28曲の候補から絞った」とMCで話されていましたが、
30年を超えるキャリアから生み出された数多くの楽曲を、
これからも吟味して私たちに届けてください。
ひとつひとつの楽曲に対するエピソードや解説、
もっともっと美奈子さんの口から伺いたい。
楽曲解釈の世界が広がる。


それから、アレサやローラ・ニーロ等、美奈子さんが大好きな
アーティストの作品をLIVEごとに一曲ずつでいいから
カヴァーして歌ってもらえないか。


美奈子さんが詩や曲を他アーティストに提供した楽曲の
セルフ・カヴァーもLIVE限定で聴かせてもらえないか。


美奈子さんのLIVE鑑賞歴、まもなく20年。
まだまだいろいろ楽しませていただける
と、思いを新たにした2006年12月のLIVEでした。


トナカイ? いえ、立派にサンタ・クロースですよ。私たちの。
いつも12月に、スペシャルな歌声を届けてくれる吉田美奈子さんは。