ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

真夏の夜の夢?

tinpan19732006-08-06

ティン・パン・アレーを訪ねて〕第8回
特別篇「ティン・パン・アレーが流れる店」


昨夜7時くらいから
六本木界隈で呑んだ。
ワインと日本酒をしこたま。
それゆえ、記憶があまり
定かじゃないのだが…。


夜中2時過ぎ(のはず)に店を出て、通りを歩き始めたとき、
誰かが「西麻布に、ティン・パン系をかける店がある!」
と言い出して、「うそだ〜っ?」と私は思って、
「ティン・パン系って何?」ともう一人が言って、
その疑問はもっともだと私は思って、次の瞬間私は説明を始めて、
「じゃあ行ってみよう」ということに(たぶん)なって、
向かったのだと思う。


くわしい場所は覚えていない。店の名前も忘れた。
ビルの2Fだったはず。扉を開けると、カウンターとテーブル席がひとつ。
レコード・プレーヤーがふたつあって、壁には洋邦問わず名盤のジャケットが
飾られていた(はず)。席に着いたときは、ボズ・スキャッグス
たぶん「JOJO」が流れていた(はず)


連れて行ってくれた人が、店の人に私たちを紹介してくれた(のだと思う)。
しばらくすると、始まりました。お店の人のDJプレイが。


まずは、ブレッド&バター「ピンク・シャドウ」。
なるほど、そうきたか。曲がフェイド・アウトするころ、
同曲の聴き覚えのある別ヴァージョンが聴こえてくる。
山下達郎『It’s a poppin’ time』での名カヴァー。
イイ! そこそこのスピーカーで、そこそこの音量で、
空気を震わせて聴くと、家のミニ・コンポや電車の中ウォーク・マンで
聴くのとはやっぱりゼンゼン違う。


ここからそう遠くない六本木PIT INN
78年3月に行われたこのライヴに自分が居合わせているようだ。
達郎さんの声は若く、美奈子さんのコーラスは今も昔もサイコーで、
ポンタ-岡沢コンビはシュアで、松木さんのギターは渋く、
教授のプレイはソツなく、土岐さんのサックスはいい味を出している。


というようなことを、隣に座った見ず知らずの女性に熱く語っていると、
こんどは南佳孝「日付変更線」。この曲が収録されたアルバム
『South of the border』を実はamazonで最近購入して今日の昼も聴いた。
デュエットしているのはター坊。詩はユーミン
ということも、たぶん話したはず。お店の人にも聞こえたはず。
次に彼がターン・テーブルに乗せたのは…。


「中央フリーウェイ」。夏、海、そしてクルマが今日のテーマかな。
こうしていい音で聴くと、マイク・ベアードのドラム、
リーランド・スカラーのベースが、もの凄く前に出てくる。
「このベースがスゴイ!」と、実際にベーシストとしてバンド活動を
する会社の先輩が言っていた意味が少しわかった気がする。


あとは、何が流れたっけ?
この辺りで記憶は途切れ、いつの間にか私たちは、
その時店に居合わせた人全員で、別の店に流れた(はず)。


目覚めると、昼近い。今日も、夏だ。湿度も温度もHigh。
頭がちょっと痛い。けれど、キモチいい。


あの店、ホントにあったよな。ホントに行ったよな。
いっしょに行ったはずの人にメールを打とう。


「ウソ! あの店出てから、すぐタクシーに乗って、
 まっすぐ帰ったでしょう」
と返信が来てもあまりフシギではない。
夢見心地の、ホントにいい気分の、夏の夜だった。


というわけで、店の所在、確認しておきますから、
事実でしたら、皆さん、ぜひ、こんどご一緒しましょう。