ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

夏の遅い午後の幸福。

tinpan19732006-07-30

ようやく夏がやって来たようだ。
7月はあと1日で終わり、
8月は「午睡の国」をテーマに
夏の午後に似合う曲を記したい。


ところで、「午睡」って「=おひるね」
なんですね。辞書によると。
昼寝だけでなく、遅い午後、夕方、
海やプールから早目に帰って来て、
エアコンの効いた部屋で、コールド・ドリンクを飲みながら聴く。
そのままウトウトしまったりする。そんなシチュエーションに合う
音楽も取り上げたかった。


ハービー・ハンコック「Maiden Voyage」。
邦題は「○○航海」。1965年に録音されたアルバム。
(「○○」記したいんだけれど家のPCからなんで、
 リンク解除ができないため悪しからず)
私にとって、夏の夕暮れどきに聴きたい音楽の
もう何十年もNo.1の作品だ。


80年代の終わり、下北沢のある店によく通った時期があった、
造りも、雰囲気も、気取ってなくて、いい店だった。
初めて行ったとき、ピーター・フランプトンが流れていた。
テープを流していたらしく、その後ピンク・フロイドになったり、
キャロル・キングになったりした。
音楽も、お酒も、料理も、雑多だった。
はつぴぃえんど(はっぴいえんど)もリクエストしたら流してくれた。


気さくなマスターと、アルバイトの子がいた。
今もあるのかなあの店。窓ガラスが割れたままになっていたりして、
今なら“LOHAS”な店と騒がれてもおかしくない。


「1978年の七夕、この曲を流して、この店は始まった」
マスターは言っていたっけ。


そういえば、ハービー・ハンコック、91年か92年、野外で、
よみうりランドEASTの「Live Under The Sky」で観たな。
あまりテンション高くなく、アンコールもなく、
聴衆の満たされない気持ちが充満した。
近くで立ち上がって、「は〜び〜、はんこっくぅ〜っ!」と
物足りなさを爆発させていた人の思い切り日本語発音の叫びが
忘れらない。


というようなことに想いを馳せながら、眠りに落ちるんだ。
寝苦しい熱帯夜に先駆けての寸眠。夏の小さな幸せ。