ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

雨の季節にさよならを。

tinpan19732006-07-18

梅雨が明けない。
大雨の被害が広がっている。


五月の連休明けから、かれこれ二ヶ月
こんな天気が続いている気がする。
この辺りで、この歌を取り上げないと、
雨の季節が終わらないような気がして、
今日は、この曲を。


「塀の上で」。はちみつばい1973年発売のデビュー・アルバム
『センチメンタル通り』のオープニングを飾る曲。
日本のポップ・ミュージック史上に輝く名曲だと思う。


私は、この曲を、1992年の梅雨時に発売された矢野顕子さんの
アルバム『SUPER FOLK SONG』で知った。
(この辺りの経緯はYahoo!時代に一度記していますのでご参考まで)
http://blogs.yahoo.co.jp/tinpan1973/20018042.html?p=4&pm=l&t=1


矢野さんカヴァーによるこの曲が良くて、
これはきっとオリジナルがいいからだろうと思い、
はちみつぱいヴァージョンも聴いてみたら、やっぱりスバラシかった。


まだ羽田が国際空港だった時代。
ヒールが7cmのロンドン・ブーツを履いて英国へ。
Tokyoディープ・サウス(という言葉を使ったタイトルの慶一氏のコラムが、
92年ごろ雑誌『POPEYE』に連載されていたと思う)在住の鈴木慶一氏だからこそ
作り得たと思われる楽曲。


テクニックじゃない。何の衒いも作為もなく、
人の心の最も純な所から生み落とされた曲だと思う。
だから、曲を聴いた僕たちの心は、こんなにも震えてしまう。


塀の上から見えるのは、
時代や景観が変わっても、
変わらない風景なのかも知れない。


かれこれ15年近く、6月の雨の日に聴き続けている曲である。