ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

電車で走ると、もうひとつの旅ができる。

tinpan19732006-07-09

   Choo Choo Gatta Got…


ひょっとしたら、
ニッポンほど鉄道網が充実してる国は、
他にないんじゃないだろうか?


たしか、明治期にイギリスに倣って
敷設・整備されたんじゃなかったでしたっけ?
日本列島の至るところに汽車や電車が
走る路が張り巡らされているように感じる。


1980年代半ば、国鉄がJRになるときに、
赤字路線が廃止されたりバスになったりした。
これは、1960年代以降のモータリゼーション
進展と表裏一体のはず。


  この週末、伊豆に出掛けた。
  あいにくの雨なのに、道路は大渋滞。
  クルマを降りて駅から電車に乗ると中はガラガラ。


ローカル線の駅は、ことごとく皆
“祭りのあと”の表情をしている。
70年代の地方都市の映画館と表情が似ている。


生活の手段としてクルマに頼る気持ちはわかるけれど、
ちょっと頼りすぎじゃないだろうか?


映画『下妻物語』で深田恭子さんが、
ロココな格好をして田園地帯を下妻の駅まで
延々と歩くシーンが良かった。
ロココの精神を立派に表現していると思った。


ロハスやらスローライフやらを提唱する
イベントや催しが最近いろいろ行われているけれど、
たくさんのクルマがたくさんの排気ガスを吐き出して、
会場に集っている様子はチャップリンの映画のようだ。


  などということを、
  伊豆半島の東側を電車で走りながら思った。
  トンネルが多く、トンネルを抜けると、
  視界が急に開け、目の前に海が広がったり…。
  頭の中で考えることも、次のシーンに移る。
  “走馬燈列車”と密かに私は呼んでいる。


ところで、1980年6月発表の松任谷由実『時のないホテル』。
ロンドンに実在するブラウンズ・ホテルをミチーフに、
イギリスっぽい、今日のような雨・雲が似合う曲が多い。


遠い半島の国に出征したあの人を、20年の前の洋服と化粧をして、
田舎の駅舎に迎えに出る女性を描いた“岸壁の母”イギリス版である
「Miss Lonely」。
白い眠りぐすりとともに夜行の“忘却列車”で旅に出る
「コンパートメント」など、鉄道モノが多いのは、
イギリスを意識した作品だからだろうか。


  Choo Choo Gatta Got…


そういえば、映画・ハリー・ポッターの第一作目(しかみていないのだが…)
も、駅のシーンがよかったなぁ。