ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

真夏日の感情。

tinpan19732006-06-29

東京では二日連続の真夏日となったようである。
5月の連休明けから続いた雨の季節も、
ようやく終わりが見えて来たようだ。


夏が来る。
年齢を重ねても心が躍る、ワクワクするのはなぜだろう?


70年代のアイドル歌手たちは、ほぼ3ヶ月周期で
新曲をシングルでリリースした。
年4回、春・夏・秋・冬と季節のご挨拶を歌にして届けてくれた。


夏は、大抵「今年の夏は何かが起きる」「夏の暑さが私を大胆にする」
というパターンだった。ロー・ティーンだった頃の私は、
そんなアイドルの曲に感情移入して季節を楽しんだ。


十代の子供たちの犯罪等悲惨な事件が起きるたび、
TVのニュースや情報番組はやれ“心の闇”と騒ぎ立てる。
その“心の闇”とやらを作っているのは、
そのTV局が作りつづけているゴールデンタイムの
中味のない番組たちじゃないか?


タレントたちの虚しい空騒ぎ、
芸がないから、特定のヒト・モノ・コトを攻撃することで、
笑いをとるしかない。


80年代までは、この種のバラエティー番組にも音楽があった。
番組内で歌手が新曲を歌った。ツマラナイ曲も多かったけれど、
なかには心を揺さぶる楽曲があった。
“心の闇”を明るく照らすクリエイティブが稀に存在した。


南沙織「夏の感情」。1974年7月発売のシングル。
有馬三恵子・作詩、筒美京平・作曲/編曲。
他のアイドルの曲とは、バックのサウンドがひと味もふた味も違って
聴こえた。それがなぜか、当時小学5年生の私にはわからなかった。


74年だから、もうこの頃はキャラメル・ママでなく
ティン・パン・アレーと名乗っていたはずだ。
HOSONO HOUSE』『扉の冬』『ひこうき雲』を経て、
スリー・ディグリーズ「ミッドナイト・トレイン」や
小坂忠さん『ほうろう』へ向かうころ。
ティン・パンが、黒っぱくファンキーにソウルフルになっていく
ころの演奏である。