ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

「雨のウエンズデイ」イヴに。

tinpan19732006-06-20

RRRR・・・(電話の音)
「も、もし、もし…」
「もしもし。やっぱり寝てたんだ。
 今日は語学出るって言ってたのに」
「・・・」
「今授業終わった。今日クルマで来てるから、
 これから鎌倉行かない?
 アジサイがすごいキレイらしいよ」


時は1980年代半ば。私は大学生。
先日記したように、平日の平均起床時間は12時。
よく電話で起こされ、その電話で、
その日一日の行動が決定したものでした。


その日もまさしく、そんな感じ。
自由になり過ぎる時間の流れにまかせるまま、
気ままに思いのままに日々を過ごしていました。


よ〜く、クルマで走りました。
第三京浜も、東名高速も、入口が近くだったし。
あの頃クルマに乗っていた時間は、
いや深夜ファミリー・レストランにいた時間でさえ、
学校で授業を受けていた時間を軽く上回っていたはずだ。


鎌倉は、平日なのにそこそこ人がいた。
アジサイはたしかにキレイだった。
ただ、私が植物への関心を増したのは30歳近くなってから。
その頃は、着る服や遊ぶ店への興味の方が断然上だった。


空は、梅雨の時期特有の曇天。
ワイパーを動かしたり止めたりの微妙な雨が降っていた。
ガゼボ「I Like Chopin」とかスパンダー・バレエ「True」とか、
トンプソン・ツィンズ「Hold Me Now」、
カー・ステレオからはその手の音楽が流れていたと思う。
あれは、たしか、水曜日。


以上、私の「雨のウエンズデイ」体験。
クルマはワーゲンじゃなかったけれど、海には良く行った。
映画『微熱少年』で、ちょうどこの曲が流れるシーンで映った
あのR134長者ヶ崎付近の映像なんて目に焼きついている。


カーブを回ると、なぜかそこは葉山から伊豆に
風景が変わっていた。あの映画では…。
そんなことを確認したいけれど、あの作品は長く廃盤。
(今有名になっている俳優が出演していないことが、
 あの作品の不幸かな。あと出演者に自殺者がいることとかも…)


明日は、久々に平日休みをとって、
20年ぶりぐらいに「雨のウエンズデイ」ごっこをすることにしよう。