ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

除湿する声。

tinpan19732006-06-19

月曜日から二〜三日は、
晴れ間が広がるらしい。


今年は、5月から雨が多く、
雨の歌ばかり取り上げて来た気がする。
せめて、今日は、6月の晴れた日に
ふさわしい曲について記すことにしよう。


大貫妙子さん「光のカーニバル」。
1982年『Cliché』収録。歌詞に♪六月は光のカーニバル〜
というフレーズも登場する。Jean Musy編曲でパリ録音。
「こんな古き良きフランスを感じさせる曲を、日本人が作るなんて…」
と、現地ミュージシャンから絶賛されたそうだ。


「屋根裏部屋」「オルフェ」等の歌詞からも、
私たち日本人がイメージするフランスらしさを想起させる。
いつぞやの大貫さんのアコースティック・コンサートで、
弦楽をバックにこの曲を歌われて、それが物凄く良くて、
それ以来よく聴くようになった。


6月、フランスに梅雨はないはず。
花や緑が咲き、光があふれ、風は薫る、いいシーズンなのだろう。
パリじゃなくて、ちょっと片田舎、田園風景、貴婦人の日傘…。
そんな映像が浮かぶ。


『田舎の日曜日』だったか『普通の日曜日』だったか、
そんなタイトルのフランス映画があった。20年くらい前に深夜テレビで観た。
細かいストーリーはよく覚えていないのだが、
この楽曲の世界観にかなり近いものを感じる。
カッコイイというよりしみじみ・ほのぼの系のフランス映画だった。
ちょっとジャック・タチの映画にも通じるような。


ジャック・タチといえば、大貫さんは1987年のアルバム
『A Slice Of Life』に、「ぼくの叔父さん」というジャック・タチ
同名映画の世界観で作った楽曲を収録している。
(これについては、また別の機会に)


湿度が上がると、大貫妙子さんが聴きたくなる。
大貫さんのあの声には除湿効果があるのではないだろうか。
この「光のカーニバル」と、
「彼と彼女のソネット」(1987年『A Slice Of Life』)、
「風の吹く街」(1990年『NEW MOON』。
この辺りが、6月に聴きたくなる大貫ミュージック
私にとっての除湿ミュージック、ベスト3かも知れない。