ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

大貫さんの旅の歌には名曲が多い。

tinpan19732006-04-25

週末、長野県の諏訪を訪れた。
20年以上前、同じ屋根の下で生活した
仲間たちと数年ぶりに温泉地に集ったのだ。


諏訪湖の周辺では、桜がまだ満開直後。
結果的に桜前線を追いかける旅になった。
今年は、これでほぼ一ヶ月桜を楽しめたことになる。うれしい。
いつの日か、桜前線とともに日本列島を北上する旅をしてみたいものだ。


往復の電車の中では、当然の如く
季節や状況や気分に合う音楽を聴いた。
今回の小旅行に最もマッチしたのは、大貫妙子さん「美しい人よ」。


1994年秋からオンエアされたJR東日本「その先の日本へ」キャンペーン
第2弾のCMソングとしてシングル発売された。
ちなみに、この第1弾は井上陽水さん「結詞」で、世間一般では
こちらの方が知名度も評価も高いようだが、私は大貫さんの曲を支持する。


理由だって、ある。東北をアピールするのに、
あの重厚な映像と陽水さんのあの曲では、ヘヴィーすぎる。
1923年に作られ世界的にヒットし、後年チャップリンが映画『街の灯』でも
使用したスペインの原曲「La Violetera」に、大貫さんが日本語詩を付け
歌ったこの曲の方が、しっくりくる。


1995年のアルバム『Tchou(チャオ!)』にもこの曲は収録されているが、
アレンジが異なり、私はシングル・ヴァージョンが好きだ。
2003年に出たベスト・アルバム『Library』には
こちらのヴァージョンが収められている。



♪雲が流れる高い空 どこか遠くを旅したい〜
これが、この曲の冒頭の歌詩。今気づいたのだが、
私は大貫さんの旅をテーマにした楽曲を好むようだ。
“旅を歌わせたら大貫妙子”と無意識に思っているのかも知れない。


今回、何故か早起きしたため、この旅のためにMDを編集したのだが、
(i-pod、持ってません!)
オープニングを「美しい人よ」にして、
エンディングを「蜃気楼の街」にすることは最初から決めていた。
♪明日家を出たら虚ろな風に見を任せ流れるまま〜


“旅を歌わせたら大貫妙子”、理由はこんどじっくり考えてみたい。