ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

ギターの両雄は、ときどき並び立つ。

tinpan19732006-04-06

一昨日、井上陽水氏から
鈴木茂氏、高中正義氏という二人の
ギターの神様の話になったので、
今日はその辺りのお話をちょっと。


陽水氏「クレイジー・ラブ」(80年)の茂氏の
アレンジは、 78〜79年ごろ、一連の原田真二さんや石野真子さんの
ヒット・チャートを賑わした茂氏編曲の流れを汲む
オーソドックスな手法だと思う。
奇は衒わず、楽曲のポテンシャルをストレートに表現したイメージ。


陽水氏「スニーカー・ダンサー」(79年)の高中氏のアレンジは、
ブレイク寸前の自らのギターを前面にフィーチャーした手法。
このギターの音だったり、エフェクターの種類だったりが、
この時代の高中正義でしかあり得ない、なし得ない、
ワン・アンド・オンリーのサウンドだと思う。


このお二方、この10年、私が知る範囲内で二度競演されている。
昨日取り上げたユーミンの絡みで。


一度目は1996年の荒井由実コンサート、
細野氏以外のティン・パン・アレーの面々が集結し
ユーミンをバックUPした コンサートだったが、
その中で1曲、ユキヒロ氏とミカさんと高中氏がゲスト参加し
「タイムマシンにお願い」を演奏したのである。
ミカバンドの曲なので、当然の如く高中氏がリードをとり、
茂氏はバッキングに徹してらしたと思う。


二度目は2004年、日本テレビキャンティ物語」という番組内で、
やさしさに包まれたなら」を、
島村英二D、田中章弘B、武部聡志K、ムッシュかまやつP、佐藤竹善Cho
という方々と(佐橋佳幸さんもGだったかも知れない…)いっしょに。
アルバム『ミスリム』の茂氏のあのフレーズが生で聴けたのは
うれしかったが、高中氏とこのメンバーの必然性が感じられず、
競演はうれしかったけれど、番組の中味含めいかにも
「それって、日テレ」的だった。


ところで、キティ時代の高中氏のアルバムが、
紙ジャケで再発されたらしい。
76年〜80年に発売された次に挙げる5枚は、
1980年ごろの私のある種バイブルだった。
『SEYCHELLS』『TAKANAKA』『BRASILIAN SKIES』
『JOLLY JIVE』『T-WAVE』…。
アナログ・レコードとカセットでしか持っていなくて、
しかも今手元にないので、これを機に買い揃えてしまいそうだ。