ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

1993年の希望。

tinpan19732006-04-03

1993年、教授、大貫さんのアルバムが
今ひとつだった一方で、
あるアーティストのアルバムに
かなり心ときめいた。


オリジナル・ラヴ、初めて聴いたのは
「ヴィーナス」だった。
たしか「じゅわいよ・くちゅーる・まき」のCMに使われたはず。
フルで初めて聴いたのは、カラオケで誰かが歌ったときだった。
「いい曲だね。誰の曲?」と尋ねたのを覚えている。


カラオケでも感じられたほど音(編曲)がしっかりしていたというか、
音と音のすき間がちゃんとしていて、品があって、過剰じゃなくて、
きちんとポップ・ミュージックの歴史と礼儀をわきまえていると思った。


「アルバムを聴いてみよう」と思い、数日後購入したのが、
『SOUL LIBERATION〜結晶』(アルバム自体は、92年5月1日に
発売されていたようだ)。いや、もう、ビックリ、だった。
「90年代のティン・パン・アレーだ!」
「作詩の木原龍太郎という人は、第二の松本隆だ!」
友人に豪語したものだ。


実際にメディアもそのような評価をしていて、この93年ごろ、久々に
ティン・パン・アレー」という言葉を目に耳にした気がする。
黄色人種による正しいソウル・ミュージックを感じたというか、
75年小坂忠さん『HORO』ごろからどんどん黒っぽくなっていった
ティン・パン・アレーの良き継承者だと思った。


「きっと、70年代後半〜80年代初頭の達郎さんや美奈子さんとか
好きなんだろうなぁ」と思ったものだが、案の定、
この1993年12月8日発売『Sunny Side of Original Love』では、
「LOOPER」という楽曲で、吉田美奈子さん作詩&コーラスという
コラボレーションを実現している。


美奈子さんは、90年10月から95年2月までは、
ご本人のアルバム発売の無かった時期。
新しい詩が読めて、コーラスが聴けただけでも有り難かった。