ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

爽やかな朝に聴くグルッポ・ムジカーレ。

tinpan19732006-02-23

急に春めく一日というのがある。
徹夜で仕事をしたり、朝まで呑んだり…、ほとんで寝ずに朝を迎え外に出たとき、そんな思いを感じることが多い。
「春って急にやってくるよな…」
「春は好きじゃない。この生温かい風に吹かれると、また季節が進んで、自分だけが取り残された気がしてイヤだ」
学生時代、徹夜マージャンの帰りのクルマの中で友人とこんな話をした。
草木は芽吹き、花の蕾は膨らみ、生命感にあふれた新しい季節に、自分だけ相変わらずの日々…。


昨日がまさしくそんな日だった。ほとんど寝ずに夜中に起きて五輪フィギュアを観て、そのまま家を出て仕事に向かう。陽ざしや風に新しい季節を感じ、黒の厚ぼったいコートを着て睡眠不足の赤い眼をした自分が凄く間抜けに思えた。
そんな日は…、とにかく早く寝るに限る。


一夜明け、爽やかな目覚め。こんな気持ちのいい朝には、坂本龍一氏「黄土高原」が似合う。
トリノ五輪開会式を観た日にもチラリと取り上げ、フィギュア前日にもちょっと言及したが、20世紀初頭のイタリア未来派をテーマにしたアルバム『未来派野郎』の代表曲である。吉田美奈子さんのコーラスがとにかくスバラシイ。
教授のベスト(何枚も出ているがいちばん最初に出た文字通りのベスト)『Gruppo Musicale(グルッポ・ムジカーレ)』にも収録されている。イタリア語でたぶん「偉大な音楽(Grand Music)」の意味だと思う。


イタリア・トリノで開催されている五輪も、あと数日。ずっと飲みたかったトリノのあるピエモンテ州の名物ワイン「バローロ」を期間中ついに飲むことができたし、名物料理バーニャカウダも食すことができたし、楽しませていただいた。明日のフィギュアFPも、しっかり応援します。