メールの発音とユーミンの通信機器。
堀江容疑者が3,000万円だかの政治資金を振り込めと指示したメールの真偽が話題になっているらしい。これは、かなりの確率で「偽」だと思います。ここ10年、ビジネスマンは「電話する」「メールする」「会って直接話す」行為を、それぞれのメリット・デメリットを巧みに使い分けるようになったので、後で騒ぎのタネになるような方法で指示を与えるとは到底考えられません。
それにしても「メール」という言葉は、普通に報道番組で口にされる言葉になってしまったのですね。今日、日本テレビの番組で聞いたのですが、NHKはどうなのでしょう?せめて「eメール」「電子メール」と言うべきだと思うのですが…。あえて後ろにアクセントを置いて発音する「メール」は、あくまでビジネスの場でのみ使用する言葉であってほしいと思うのですが…。
PCメールに、ケータイ・メールに、電話…。通信手段は多様化して、便利や好都合を我々に与えてくれた。だけど、手段が増えれば増えるほど、「実際に会って話して、気持ちを伝える」力が衰えてしまっているような…。
ポップ・ミュージックの詩は、どうなっているんだろう?
青いエアメイルがポストに落ちたわ
雨が染みぬうちに急いで取りに行くわ
(「青いエアメイル」〜79年『OLIVE』〜)
拝啓 今はどんな絵仕上げていますか
個展の案内の葉書がうれしかったの
(「悲しいほどお天気」〜79年『悲しいお天気』〜)
70年代最後の年に発売されたユーミンの2枚のアルバムには、こんなふうに手紙が描かれている。
考えてみれば、ユーミンは72年のデビュー・シングルからして「返事はいらない」なわけで、手紙や電話といった通信手段は、この方の詩の中でしばしば重要なアイテムとして登場してくる。
留守番電話にはSATURDAY NIGHT
墓場へ行ってくると残し おいでよパーティへ
87年『ダイヤモンドダストが消えぬ間に』収録の「SATURDAY NIGHT ZONBBIES」では、留守番電話が登場してくる。
誰かがあなたを探しているわ
この夜更けに 流れるモニター
91年『ドーン・パープル』になると、情報機器としてパーソナル・コンピュータが(Windows95の4年前!)が登場してくる。あなたを狙うのは、コンピュータ・ウィルス! 「誰かがあなたを探してる」、スティーリー・ダンっぽい音がカッコイイ。
その後、ポケ・ベルは、出てこなかったと思う。
ケータイ電話は…、どうかな? 出さないし、出すべきじゃないと思う。