ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

カルチャーの異分野進出。

tinpan19732006-02-13

数年前から再びNHK大河ドラマを観るようになった。
三谷幸喜氏『新選組!』、いやその前年『利家とまつ』からか。『義経』『功名が辻』とこれで4年連続で観ていることになる。あれ、その間に『武蔵』があったか? これは観ていない。
今年の大河は、原作・司馬遼太郎氏はうれしいのだが、主人公が山内一豊でキャラクターとして今ひとつ弱く観るつもりはなかったのだが、一応HDDに録画だけはしておいた(便利ですよね。VHS時代だったらゼッタイ録っていない)。
しばらくそのままにしておいて、実際第3回あたりは録画も忘れ、このまま観なくなるかなと思った矢先、夜寝る前に録画したものを何気なく観たら、オモシロイ。
オープニングのタイトル・バックのデザインがカッコイイ。音楽もカッコイイ。「話は遡るが…」司馬氏の原作の手法をそのまま取り入れるている演出もイイ(余談であるが、私は司馬氏の本に出てくる「余談であるが…」の大ファンである)。
今日から、足利義昭役で、三谷幸喜氏が登場した。思い出した。三谷氏が義昭役で出演することを氏の朝日夕刊エッセーで読んで知ったので、それもあって録画だけはしておいたのだ。
三谷=義昭、なかなかいい味を出していたと思う。

本職の役者さん以外の方が芝居をすると、その場の空気感が変わると思う。異分野の“気”が交わることで、フシギな化学反応が起こるような…。監督や演出家や脚本家は、それを狙って異分野の人をキャスティングするのかも知れない。

空気感の変化、フシギな化学反応…、その中には当然違和感も含まれる。今回の三谷=義昭にもそれをちょっと感じたけれど、あの、『ラスト・エンペラー』の時の、教授に比べれは…。
甘糟大尉の役を演じられて、発した言葉は”Asia belongs to us!”だけだったと思うが、いや、とにかく、劇場で観ていて、焦った。烈しい違和感。セリフを発しないほうがいいと思った。
教授自身、語っていたが、映画出演は(『戦メリ』含め)、ワールド・ワイドで音楽活動をするためのひとつの戦術だったので、それはそれで全然構わない。ファンとして私も応援する。実際、この映画音楽でオスカーを獲ったわけだし…。

これが、細野さんになると、役者としても味が出まくるからフシギだ。
映画でも昨日書いたように『微熱少年』や『パラダイス・ビュー』でいい味出しているし、有名なのは森高千里さんと共演したローソンのCMかな。篠原章氏によると、ナイアガラのプロモーション・ビデオに出演され、ニワトリの形態模写をタモリも絶句したほどの巧さで演じられたらしい。

ナイアガラの御大・大滝詠一氏の役者姿は『僕は天使じゃないよ』で拝見した。
90年代始めに世田谷某所のレンタル・ビデオ屋で偶然発見して観ることができた。75年の映画のはずだから、大滝氏27歳。なんか今の私(40歳過ぎ)よりも老成しているように感じた。

カルチャー・ヒーローが、ジャンルを超えて他の分野に乗り出す。
ドンドン ヤレバ イインダ
ホリエモン ジャ ナインダカラ