ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

丸の内と微熱が変えた価値観。

tinpan19732006-02-12

立春が過ぎ、三寒四温の日々が始まった。
冬と春のせめぎあい、今日はとても暖かかったが、明日はまた寒くなるという。最近、天気予報の精度が上がり(長期予報は別)、朝テレビで見る天気予報はその日の服装を大きく左右する。
今週の火曜日(2/7)もそうだった。夜半からの雪が止み、「フェーン現象で気温が15℃を超える」と言っていたので、思い切り薄着で仕事に向かった。なのに、晴れないし、寒いままだし…、予想気温より10℃くらい下回ったらしい。気象庁には苦情が殺到したらしい。
私は、風邪を、引きました。翌日仕事を休まなければならないくらいの…。医者に行き、薬を飲み、寝る、しかなかった。

♪俄か雨降る午後に 体温計を挟み
 天井の木目 ゆらゆらと揺れて〜

松本隆・作詩、鈴木茂・作曲の「微熱少年」。小説でなく、映画でもなく、茂氏『BAND WAGON』収録の「微熱少年」は、熱を出して寝ている少年をストレートに描いている。
この楽曲の詩を咀嚼するよりも、小説を先に堪能してしまったので、あまりにスナオな詩の展開に、ちょっととまどいを覚えた。もっとも、サビからは「路面電車が銀河へと浮かんでいく」と松本さんらしい世界となっていくが…。
(映画『微熱少年』では、細野さんが銀河鉄道の電車の車掌さん役だった)
先週の土曜日「Pide Piper Days」を機に、私の中で
この『BAND WAGON』とハックルバックに関する価値観が、
変化した。
もちろん30周年盤以前にもCDは持っていて、当然聴いていたわけだが、今思うとそれほどの愛着はなかった気がする。

先週土曜日、KENWOOD丸の内スクウェアで、Live音源の「100ワットの恋人」を聴いたのだが、なぜか必要以上にジ〜ンと来て目頭が熱くなってしまった。

「こんなにいい曲だったっけ…?」ハックルバックというグループに対しても、キャラメル・ママに抱いていたような感情は持ち得ていなかった。
鈴木茂G、林敏明D、田中章弘B、佐藤博K、
キャラメル・ママティン・パン・アレーがバンドというよりクリエイター・プロデューサー集団なのに対し、ハックルバックはバンドでありプレイヤー集団なのだと改めて思った。数年後のクロス・オーヴァー〜フュージョンのバンドたちに感じたような思いを、この74年収録の彼らの演奏に感じた。

鈴木茂氏は、キャラメル〜ティン・パンよりも、ハックルバックのほうに愛着を感じていたのかも知れないな…。かなりの確率で私はそう思う。