ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

35年後の伝説。

tinpan19732011-05-05

ムーンライダーズ デビュー35周年記念
火の玉ボーイ コンサート」を聴きにメルパルクホールへ。


私はムーンライダーズのファンではない。
何枚かアルバムを聴く機会はこれまであったが、
ファンになるに至らなかった。理由は、
鈴木慶一さんの声が個人的に苦手なことが大きいと思う。
大滝詠一さんの声も同じように苦手である)


それなのに何故コンサートへ?
『火の玉ボーイ』はさすがに高校のとき友人にカセットに録音してもらい、
ひと通り聴いて愛着があり、35周年記念でアルバムの曲全部やると聞いたのと、
ゲスト「細野晴臣」「矢野顕子」という文字に心が躍ったのだ。


今日、最後まで、ホソノさんがいつ出て来るか、
楽しみに待っていた。しかし、出ずに終わった???
ケータイで調べてみると、当初4/2予定のコンサートが地震の影響で
5/5への延期が発表された際、ホソノさんはスケジュールの都合で
出演できずとアナウンスされていたのだ。
確かイープラスから延期を知らせるメールが来て、
「あ、4/2のチケットをそのまま持参すれば見られるわけね」
とそれしかチェックしなかった。お粗末…。


ホソノさんの件は残念だったけれど、十分に楽しめた。
とくに私にとってサプライズだったのは(事前にチェックしていなかったから)、
矢野誠さんがゲスト出演されたこと。
矢野誠さんをLiveで拝見するのは初めてだったし、
矢野顕子さんと同じステージに立たれる姿をまさか見ることができるとは…
正直思わなかった。


矢野誠さん。
1976年のティン・パン・アレー「パラダイス・ツアー」で
坂本龍一さんがキーボード参加する以前、
ティン・パン・アレーの音楽に奥行を与えた人という認識。私にとって。
この『火の玉ボーイ』もそうだし、大貫妙子『GREY SKIES』、吉田美奈子『FLAPPER』、
細野晴臣泰安洋行』、矢野顕子『JAPANESE GIRL』等で
素晴らしいアレンジ・ワークを披露している。
スリー・ディグリーズのシングル「ミッドナイト・トレイン」など、
細野晴臣×矢野誠コラボレーションの一大傑作と言えるのはないだろうか。
(久々に聴いてみたい。細野×矢野のコラボレーション)


1990年のアルバム『百和香』とか好きだった。
近年の活動はフォローしていないが、5月下旬吉祥寺でライヴをなさるようだ。
今日のライヴでリーフレットが配られていたが、それには矢野顕子さんの
コメントも掲載されていた。都合が付けば足を運んでみたい。


話をムーンライダーズに戻して…。
メンバーにバイオリストがいるのはいいなぁと思った。
個性、他との差別化という意味でも有利だ。
あと35年続いているという事実は改めて凄い。
ソロ活動とバンド活動とのバランス、
消費し尽くされてしまうような通俗的ヒットと無縁であったこと…。
そしてメンバー個々の確かな実力。
この辺りが長く続いている秘訣だろうか?


今日のライヴでは、アッコちゃん「達者でな」を大太鼓入りで聴けた。
かしぶち作品「リラのホテル」をあがた森魚ヴォーカルで聴けた。
最後は鈴木博文さんの名曲「大寒町」だった!!!
またひとつ伝説の時間に立ち会えた気がする。いい夜だった。


ところで、開演前や休憩そして終演を告げるアナウンスが、
ヒジョーに個性的で面白かったのだが、これムーンライダーズ
コンサートのひとつの特徴なのだろうか?