ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

初 の“生”。僕は何を感じたか。

tinpan19732010-12-05

金曜日、日本武道館竹内まりやライヴへ。


まだ大阪城ホール2Daysが残っているようで
ネタバレになりますが、記させていただきます。
ご容赦そしてご注意ください。


とにかく、生まれて初めての“生”竹内まりや
10年前のライヴのときは忙しくて、ライヴがある事自体、
終わってから知った。今回も「チケットとれたけど行かない?」
という知人からの誘いが無ければ、気づかなかったかも知れない。感謝!


18時半開演。武道館だと九段下の駅を降りて席に着くまで15分は
確実に必要だ。17時45分に無理やり仕事を切り上げた。
オープニング・アクトはBOX。
30分で5曲ほど演奏して終了。ここで「20分の休憩」とのアナウンス。
エーッ!! 思い切りブーイングをしたかった。
オープニング・アクトがあるのは事前の情報で知っていた。
杉真理さんのパフォーマンスは楽しみだった。
(個人的には2日目のセンチメンタル・シティ・ロマンスのほうが
 聴きたかったけれど)
しかし、BOXからまりやさんへのセット替えで20分も必要なのか?
5分で済ませて、その分開演を遅くしてくれよ!
と、隣の知人に毒づいた。ロビーに出て、スナック菓子をつまみ水を飲み、
気持ちを鎮める。


再び場内が暗くなり、いよいよメイン・アクト。
今年の山下達郎ツアーのバンド・メンバーがバックを固める中、
ギターを抱えてまりやさん登場。
オープニングは「家に帰ろう」。ナルホド。こう来たかという感じ。
目の前で歌い動く“生”竹内まりやに、まだ慣れない。


三曲目「象牙海岸」。この辺りでジ〜ン。
アルバム『LOVE SONGS』が出た1980年春。
高校一年終わりの自分に戻ってしまう。
この曲でまりやさんの声がかすれた気がしたが、
ひょっとしてまりやさんも感極まったのだろうか?


数曲後に「僕の街へ」を披露してくれた。
この曲が生まれたころのエピソードとともに。
ありがとう! ゼッタイ聴きたかった大好きな曲。


もうひとつ聴きたかったし、やってくれると思っていた曲「五線紙」は、
佐橋G、土岐Sax、達郎の指鳴らしという編成で披露してくれた。
この2曲を、生で聴けただけで、正直満足。


「元気を出して」「駅」「プラスティック・ラブ」「告白」等、
ポピュラーなまりやソングも、生で聴くと格別だった。
「もう一度」「恋の嵐」が両方とも聴けなかったのはちょっと意外だった。


アンコール含め2時間ぐらいのライヴだったと思う。
素晴らしいと思ったのは、きちんと最後まで歌い、
堂々とパフォーマンスをしてくれたこと。
声が出なくなったりするんじゃないかな?
久々だし、年齢的にもそろそろ厳しいだろうし…。などというのは全くの杞憂。


MCの語りの内容もしっかりしているというか、
ファンへの感謝がきちんと伝わってくる。
あとは、やはりあの“声”は、ヴォーカリストとして財産だと思う。


最初はギターを持って、最後はピアノ弾き語り。
この辺りにも音楽家としての矜持を感じた。
最後、ひとりでピアノに向かわれたとき、
「ひょっとして『すてきなヒットソング』?」と思ったけれど、
違った。NHK朝ドラ「だんだん」の劇中歌「いのちのうた」だった。
「縁の糸」でなく「いのちのうた」で終える。
この辺りに、ひと筋縄じゃいかないというか、
まりやさんのこだわりを感じるというか、
僕が竹内まりやを嫌いになれない理由がある気がする。
それにしても、あの詞の作者MIYABIがまりやさんだったとは…。


ライヴ2日後、まだ上手く整理できない。
ビールに例えるのが、いいのかな?
バス・ペール(たぶんスペルはBASS PALE)という英国のビールがあるのだが、
独特の味わいがして好きで、置いてある店があると飲んだり、
売っている店があると買ったりしていたのだが、
10年ぐらい前某店でこのバス・ペールの生ビールを飲んだ。
その時の感覚に近いのかな。この夜の感動は…。