ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

20年と3時間と朝までの物語。

tinpan19732007-04-23

金曜日、大学卒業20周年の会を 催した。


別にオフィシャルな集いでなく、
学生時代にある文化系サークルに所属していて
(世間的には “軽薄”なイメージで捉えられがちなサークルです)
その同期20名ほどの同窓会を某ホテルで開催した次第。


視覚は刺激しないで、聴覚だけ刺激しよう。
変わった? 変わらない? 20年経ったお互いの姿を
存分に感じることに、視覚は専念すればいい。
音楽だけは、“あの頃”を充分に聴かせることにしよう。


僕はTSUTAYAに行き、久々にCDを借りた。
「○○年の洋楽ヒット」なるコンピレーションものを何枚か選んだ。
メン・アット・ワークとか、カルチャー・クラブとか、
ライオネル・リッチーとか、ホイットニー・ヒューストンとか、
めぼしい曲をピック・アップしてiPodに吸い込んで、
元から常備しているドナルド・フェイゲンスタイル・カウンシル
併せて曲順を決め、当日会場で流した。


パーティの内容はごくシンプルに。めぼしい企画はひとつだけにしよう。
各々の20年を3分間にして話をしてもらう。
20年、僕たちが過ごした学生時代の5倍の時間が経過しているわけで、
どんな時間が流れ、いまどんな時間を過ごしているか。教えてほしい。
集中や注目を切らさぬよう、順番だけはその場で抽選してその都度決めた。


20年があっという間だったように、
3時間の宴もあっという間だった。
案の定、現在進行中の仕事がケータイを鳴らし、
最初の数十分を奪っていった。それなら、こちらも、
ケータイの持つカメラとメール機能を駆使して対抗した。


「懐かしい」とか「過去を振り返る」とか、
後ろ向きな行為と背を向けていた時期もあったけれど、
実は何とかという物質が分泌されて脳が活性化される
と何かで読んだことがあって(TV番組「あるある大事典」かも知れない)、
最近は抵抗がなくなった。


というより、レンタル・サービスの進化、カラオケの曲数増加、
多チャンネル化、インターネットの深化…は、
“今”という時間の中にたくさんの“あの頃”を存在させている。
気軽に、手軽に、かつ前向きに、“あの頃”と向き合いたいものだ。


宴の後、次の日仕事や用事がある人は帰り、
残った者たちでカラオケに繰り出した。気がつけば朝まで。
いいトシをしてまたやってしまった。