ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

CLOUDY BAY〜曇った入江〜

tinpan19732007-04-19

今日は、「曇り空」にまつわる
ワインのお話から。


CLOUDY BAY(クラウディ・ベイ)
というニュージーランド産ワインがある。
ソーヴィニョン・ブラン種の白ワインが有名だが、
ピノ・ノワール種の赤ワインも美味である。


ちょうど2年前の今ごろ、4月のある日、このワインに出会った。
ピノを飲んで、その繊細で深い味わいに驚いた。
2年前といえば、私の“ピノ好き”が極まった年だ。
理由はカンタン。映画『SIDEWAYS』からの影響である。


ピノ品種を栽培できるのは、世界でもほんの限られた土地だ。
 忍耐強く、心を込めて世話しないと、ピノは育たない」
カベルネは放っておいてもちゃんと成長する。力強く華やかな味だが、
 僕にはつまらない」
映画全編から漂う“ピノ・ノワールカベルネ・ソーヴィニョン”という
価値観にモロに影響された次第である。


もちろん、それ以前からピノは好きだったが、この映画から
カベルネ=メジャー=ちょいダサ”“ピノ=マニアック=カッコイイ”
というお墨付きをもらった気がする(ジョーダンですよ)。


ところで、CLOUDY BAY(クラウディ・ベイ)。
実際にニュージーランドにそのような地名が実在するらしいが、
「曇った入江」という意味である。
詩情あふれるいい名前だと思う。


曇った春のある日、入江を見下ろす丘の上に立つ。
この春からいろんなことが新しくなった。
変わった多くのこと、変わらない私。
いや、私だけじゃない。この丘の上から見える
この入江の風景だって…。


CLOUDY BAY(クラウディ・ベイ)、
松本隆さんがこんなタイトルで詞を描かないかな。
秘密の花園」にたしか、入江が出てきた気がするが。
松任谷由実さんに「入江の午後三時」という曲が
あったな。そういえば。“油壷”ってイメージの。