ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

富田恵一氏は、ベイビーフェイスか?

tinpan19732007-04-13

ベイビーフェイスといえば、
先日お披露目された六本木ミッドタウンに
8月、Billboardなるライヴ・ハウスがOPEN、
直後に来日してLiveを行うらしい。


あのチャートで有名なBillboardが手掛けるライヴ・ハウス。
会員制だったり、チャージが高めだったり、夜景がキレイだったり…。
かなり高級を意識した設定のようだ。
「高級ライヴ・ハウス。日本にそんな根付くのか?」
「丸の内にも、そんなライヴ・ハウスができなかったっけ?」
「ブルー・ノートとの棲み分けは?」


会社で、私の近くの席の人が持っていたパンフを見ながら、
さまざまな「?」が駆け巡った。とは言え、その表紙に目はクギ付け。
スティーリー・ダンが映っている。
OPEN直後の目玉ゲストとしてLiveを行うようだ。


会社の、自分の席の周囲で、あまり音楽の話はしない。
ビジネスの、戦場、という意識が強いからかも知れない。
が、その時は、夜そこそこ遅い時間だったせいもあって、
珍しく大きな声で話をした。以下は、席は近いが、
あまり音楽的面識の無かった3人(Aさん、Bさん、私)の会話。


私:エッ? スティーリー・ダンが来るんだ?
A:好きですか?
私:好き。代々木で観たとき、
  「I.G.Y」のイントロが流れたとき、やっぱ泣けて来た。
  あれは、ドナルド・フェイゲンとして来たんだっけ?
A:93年? 『カマキリ・アド』のときじゃ?
B:オレはもっと最近、武道館で観たよ。
  ところで、富田恵一が去年くらい出したアルバムで、
  大貫妙子高橋幸宏がデュエットした曲があるけど、
  あの曲を聴くと『彩』を思い出す。
私:ナルホド。言われてみれば…。
  富田ラボの2枚、話題になっていたんでamazonの中古で
  入手して聴いたけど、ヨカッタですね。


というような会話を繰り広げていたところ、
いつもお世話になっている協力会社(レコード会社ではありません)の方が
その話を聞いていらして、少し後に
「富田ラボ、お好きですか? 
 私、ちょっと知り合いで、先日出たDVD、
 よろしければお持ちしますよ」
とおっしゃった。
「うわー。あのAXのライヴ? ター坊にユキヒロにキリンジ
 ゲストのやつ? 観たい! 聴きたい!」


というわけで、観ることができました。
買うまでのモチベーションはなく、でも観てみたかったものなので、
とても有り難かったです。
富田恵一氏のお顔は初めて拝見した気がします。


富田ラボ名義の2枚や、キリンジのアルバムを通じて
抱いていた私のイメージは“博士”。
その音楽から“百科事典”のような多彩さと深さを感じたからだと思います。


坂本龍一氏が“教授”なら、富田恵一氏は“博士”。
でも。イヤ。正直に記しましょう。お顔を拝見して、
“博士”というより“オタク”を感じました。
ベビー・フェイスというよりヒール。
でも、それはヒジョーに、90年代的というか21世紀的な気がします。
私にとって“オンガク2.0”を担う重要なアレンジャーという
位置付けは変わりません。