ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

忙中の風情。

tinpan19732007-01-28

ティン・パン・アレーを訪ねて〕第10回


仕事に追い立てられる日々が続いているが、
先週は収録で二度、音響ハウスに行く機会があった。


音響ハウス…。
70年代後半から80年代後半にかけて、
ティン・パン系アーティストの数々の名盤が
レコーディングされたスタジオ。


昨年末に紙ジャケ&ボーナス・トラック付きで再発された
大貫妙子『MIGNNONE』〜『カイエ』のRCA6作品の
リマスターはここで行われ、
いや6作品の海外以外のレコーディングは、
この音響ハウスと、市ヶ谷の一口坂スタジオと、渋谷のRVCスタジオで
行われたいう話を伺ったことがある。


ユーミン松任谷由実になられて以降、
1978年『紅雀』から87年『アラーム・ア・ラ・モード』まで14作品に
レコーディング“音響ハウス”のクレジットがある。


すぐそばに首都高が、半地下のような状態で走っている。
昔は、ここを川が流れていて、隅田川東京湾から、
木材(木挽町という旧町名があったりする)や多彩な物資を運んだらしい。
今は川は埋め立てられ、その上に高速道路。
脇に今も残っている柳の木に、風情を感じた。
文化って…、こうなんだよな。


音響ハウス自体、平凡商事というマガジンハウス(旧・平凡出版)関連会社が
管理・運営している。
雑誌だけじゃなく、音楽も…。私の人間形成に、
マガジンハウスは多大な影響を及ぼしている。


東銀座方面に足を向けて寝られない。
いや、カルチャー・文化的な願い事があるときは、
これから東銀座方面に詣でることにしよう。


音響ハウス、10年ぶりぐらいに訪れたのだが、
以前訪れたときはティン・パン系音楽との関連を知らず、
ちょっとアンティークなスタジオという印象しかなかった。
気の持ち方ひとつで変わるんだよな。いろんなことが。


というわけで、忙しさも楽しむことにします。あとちょっと。