ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

サウンドとアートとコトバの三角関係。

tinpan19732006-11-08

オンガクって、音楽だけじゃなく、
国語や美術の先生でもあった。
と以前記した。


安井かずみさん、有馬三恵子さん、山上路夫さんたちに、
小学生の私は漢字と日本語を習った。
「翳り」という字を小学6年生で書けたのは、
荒井由実さんのおかげです。


ピンク・フロイドYMOのジャケットは、
見ているだけでフシギで、眺めているだけでワクワクしたし、
トーキング・ヘッズ“リメイン・イン・ライト”のジャケットなんて、
今見ても「80年代が始まった!」という気持ちに戻れる。


オンガク=サウンド+コトバ+アート
新しい三角関係を追求したい。


それが、ビート・セクスアリスというプロジェクトに参加する
私個人のテーマなのだと改めて思う。


ベッタリ寄り添うだけじゃ駄目。
適度な距離感や、ときには正反対と思えるミス・マッチも必要。
そういう関係を模索したい。


1950年代後半から60年代にかけて、
クリエイティヴィティあふれる広告で一世を風靡した
ニューヨークはマジソン・アヴェニューにあった広告代理店DDB
バーンバック社長は、すぐれた広告の条件としてアートとコピーの関係を
「コピーとアートの結婚」と表現した。


結婚する/しない で揺れ動く心情を、
フレンチ・ボサノヴァの複雑なコード進行の繊細なサウンドと、
地に足の着かないモラトリアムな浮遊感を高みからモノトーンで描いたアートと、
そんなオシャレな世界をある種裏切るような俗語の羅列で展開するコトバ。
それが、「永遠へのリミット」でやりたかったこと。


男と女のセリフにしたり、
TVドラマの存在を知り怒って揶揄したり、
いやになってフランスに飛んて架空のカフェに逃げ込んだり、
いろいろ試行錯誤をしました。
(右の検索に「永遠へのリミット」と打ち込めば、
その過程がご覧いただけると思います)


ユニークな緊張感ある三角関係が描けたのではないか?
と、ちょっと思っています。とは言っても、歌入れ時どうなるか、まだ予断を許さない。