ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

緑のグラデーション。

tinpan19732006-05-21

例のプロジェクトはちょっと
時間をいただくことにして、
(一週間に一度程度は
 キャッチボールできるようにします)
今日はいつものつぶやきに…。


今年の5月、もう堪忍してこういう気候を楽しむことにした。
雨の木曜日、六本木のとあるビルの10Fで
外の風景を眺めながらランチを食べていた。
「六本木って、こんなに木々が多かった?」と思うくらい、
東洋英和からオーストリア大使館にかけて緑が広がっていた。


降る雨で新緑がより鮮やかに見えた。
ところどころに落葉しない針葉樹の濃い緑があった。
そして、生命感みなぎる広葉樹の緑。
木の種類や樹齢によって、陽の当たり方によって、
緑が趣きあるグラデーションを見せていた。
絵が描ければ、この風景をスケッチできるのにと思った。


この緑のグラデーションから、私が連想したのは、
山下達郎氏2ndアルバム『SPACY』。
収録された各曲のもつ瑞々しさ、輝きが、
窓から目にした緑の各々の色彩にオーバーラップした。


「あなたのいちばん好きな山下達郎氏のアルバムは何ですか?」
と尋ねられたら、私は『SPACY』と答える。


4年前まではこうじゃなかった。
「LOVE SPACE」とか「素敵な午後は」とか好きな曲もあったけれど、
どちらかというと地味なアルバムに感じた。


でも、4年前のRCA/AIR Yearsコンサート。
私はツアー初日の厚木に駆けつけたのだが、その際、
「たぶん、もう、二度とステージに上がらない曲もあるので、
 せめて弾き語りでお送りします」というMCとともに
「言えなかった言葉を」を歌ってくれた。


この弾き語りが印象に残って、
アルバムでもこの曲から次の「朝の様な夕暮れ」につながる流れが
好きになって、あのコンサート以降とにかく聴くようになった。


「朝の様な夕暮れ」は、ご本人の一人アカペラが世の中に出た
初めての作品らしい。1977年5月のこのアルバム発売直後の
新橋ヤクルトホールのコンサートで、初めて人前で、
自分のアカペラをバックに歌を唄ったところ、もの凄くウケたそうだ。
そんなエピソードを知ったこともあり、
5月になるとよく聴くアルバムになったのかも知れない。